流行を先取りしたいなら今すぐNulbarichを聴け
音楽だけではないが、流行というものはめまぐるしく移り変わっていくものである。それは、人々が常に目新しいものを追い続けているに違いないだろう。「皆が知らない音楽を聴いてる俺、かっこいい」というような自己陶酔が広がって流行が生まれていく。
まあ、もちろん流行するものはそれなりに何らかのきっかけや優れた性質を持っているわけである。ってこんな堅苦しい話をしていても疲れるからやめよう。とりあえず今日は、「イケてる最近の音楽って、何?」って話である。
このブログでは日本のバンドを紹介することが多い。日本のバンド、といえどもロックやポップ、ジャズなど様々あるし、ロックだけに括ってもその中で分類されて細分化されている。でも、そんなめんどくさいことじゃなくて、とりあえずこれから絶対流行る、でも皆がまだあんまり知らないようなバンドをとにかく教えたいのである。
とはいえ、「おせえよ!知ってるわボケ!」という方もいらっしゃると思います。そんなあなたはどうか今回だけは許してくだせえ。それではご紹介しましょう!
Nulbarich
シンガーソングライターであるJQ氏を中心に結成されたバンドで、公に顔は公開しておらず、どこぞの狼バンドや最近映画にもなったグリ…とかみたいな覆面バンドである。なんだか写真を見る限りは不気味な雰囲気が漂う。とりあえず楽曲を聴いてみよう。
思ってたよりめちゃくちゃ洒落乙である。このJQという人のリズム感、声の心地よさ、とんでもない。ファンキーであり、ジャジーであり、どことなく気だるさも感じる。海外のビーチで肌でも焼きながら聴きたいもんである。
何度聞いても、このバンドは日本らしくない、日本離れした音楽だと印象を持つ。加えて、バックの演奏陣もこれまた素晴らしい。リズム隊であるドラムとベースの独特のグルーヴがバンドサウンドに程よい緊張感を与えている。時にアクセントとして、時に曲の最前線に出ていく、そんなギターのサウンドもこれまた心地よい。
バンド名の由来
彼らのHPを見てみると、このバンド名「Nulbarich」は造語であることが分かった。
Null(ゼロ、無、形がない)
+
but(しかし)
+
rich(豊か、満たされている)
で、Nulbarichだそうだ。形のあるものだけでなくて、形のないもの、愛情などの感情や、それこそ音楽であったり、細かく言えば彼らの根底にあるソウル・ブラックミュージックやアシッドジャズなんかが大事なものであって、私たちはそれで満たされているという意味であるらしい。これも洒落ている。六本木のバーで女の子に言ってそう。
ちなみに、このバンドは流行りそうだが未だ発展途上だ。Youtubeの再生回数もそんじょそこらのバンドよりは稼いでいるわけだが、知名度は一部界隈を除けば低いだろう。まあ実際、こういうバンドも世に溢れてるからねえ…何モスかは言わないけど。
あと、ウケるとしたら大学生以上の大人たちで、高校生とかにはおそらくウケない。こんなバンドまずコピーできないし、このバンドを聴いていることを友達に自慢しても「あっ、ふーん」ってなるだけだと思うし、高校生はとりあえず最近話題のアジカンとか聴きなおしといたほうが身のためだ。ただ、数年後大学の飲み会で女の子におしゃれアピールするために今から聴いておくなら大いにアリだ。俺みたいにクリスマスを一人で過ごさないためにもな!!
こんなんコピーできないよ。この微妙なズレ?は聴いてて心地よいけど、いざやれと言われたら無理な話や。…ソラニンやろうぜ。
今後は
シティポップとかいう時代が隆盛を迎えつつある今、土壌ができているうえでこういうバンドは映えるでしょう。でも、一時代を築けるほどか?と言われると微妙なところ。爆発力という意味では少し劣るけど、まあでもかっこいいことは確かですよ。なんやかんや言ったけど、最初聴いたときはびっくらたまげましたよ。「今はこんなバンドが日本から出るのかー!」ってね。
皆さん、このバンドの音楽に酔いしれる休日なんか最高じゃないですか?ビール片手にライブ見たくないですか?私もぜひ生で一度聞いてみたいものです、それではライブハウスでお会いしましょう。