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新・おんがくの時間

様々なジャンルの音楽にあーだこーだ言うブログ。

「おんがくよ、人を生かせ」 リーガルリリーは何を歌うのか

邦ロック全般

 

 

去年からずっと気になっているバンドがあった。そのバンドは、私が大好きなバンドのライブを新宿に見に行ったとき、オープニングアクトで登場した時に初めてその名を知った。ステージに出てきたのは、自分よりおそらく歳の低い女の子3人。見た目からしてもまだまだあか抜けない彼女たちはゆっくりと楽器を手にし、「リーガルリリーです、よろしくお願いします」と言って、演奏を始めた。

 

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リーガルリリーというバンドについて

 

今回紹介するバンド「リーガルリリー」は都内を中心に活動する3ピースガールズバンドである。上記の画像で左からBa.白石はるか、Gt.&Vo.たかはしほのか、Dr.ゆきやまという構成になっている。平均年齢は18歳。現役の女子高生が在籍(白石はるか)しているというとってもみずみずしいバンドである。表現が気持ち悪いことに関しては許していただきたい。

 

彼女らは、TOKYO FM SCHOOL OF LOCK!主催『未確認フェスティバル2015』において準グランプリを獲得している。この未確認フェスティバルというのは、10代限定のロックバンドコンテストのようなもので、2014年まで開催され多くの人気バンドを輩出した「閃光ライオット」の後釜となる企画である。ちなみに、グランプリは2015年にShout it Out、2016年にはYAJICO GIRLが獲得している。

 

2016年には複数のバンドによるカナダでのツアーに参加。その若さとは裏腹に、多くの経験値を稼いできたバンドである。ちなみに去年の10月に1st mini album『the Post』をなんと自主レーベルから発売。つい最近にはテレビで今年期待のバンドとして取り上げられるなど、自分よりも年下の彼女たちだが、その活動には目を見張るものがある。

 

 

リッケンバッカー」の衝撃

 

www.youtube.com

 

 

先ほど話していた、彼女たちのライブを始めて見た時の話に戻そう。何曲目にやったかは忘れたのだが、リッケンバッカーという曲を演奏し始めた時から、私は彼女たちの音楽に引き込まれていった感覚がした。その時のライブで、ギターに機材トラブルがあり一旦演奏が中断されたこともあって、途中ぐだぐだにもなっていたのだが、この曲だけは妙に印象に残っている。

 

めちゃくちゃバカテクだったというわけでもない。とんでもなく歌が上手かったわけでもない。ただ、この曲のメロディと歌詞はどうしても頭から簡単には離れなかった。曲調としてはシンプルなのだが、たかはしほのかのエモーショナルなギターのサウンドに、少し不安定ではあったが曲の迫力を前面に押し出すリズム隊。曲の後半でテンポが上がるあたりからボーカルの勢いもぐっと増し、演奏もさらに激しくなる。

 

曲が終わるまではあっという間だったが、その4分足らずに10代とは思えない独特の雰囲気とサウンドに完全に心を持っていかれた。ライブが終わった後、気付いたら物販でシングルを買っていた。

 

 

10代で思いついたとは思えなかった歌詞

 

容姿だけで言えば、あんなに可愛らしい女の子たちなわけだが、その演奏には度肝を抜かれ、そしてあまり無いことなのだが個人的にはその歌詞インパクトを大きく残された。「おんがく」に翻弄される人間の人生を描いたような印象を持ったのだが、それにしても言葉のセンスがサブカルチックなところ、想像力を掻き立てるような歌詞のストーリー性が私の好みなのだ。

 

きみはおんがくを中途半端にやめた。
きみはおんがくを中途半端に食べ残す。

リッケンバッカーが歌う
リッケンバッカーが響く
リッケンバッカーも泣く
おんがくも人をころす

 

(引用元:リッケンバッカー/リーガルリリー)

 

「おんがくも人をころす」は初めて聴いた時には、この言葉のセンスに嫉妬を覚えた。というか、10代でこんな歌詞書く女の子がいる現状に驚愕した。音楽をやっていない人からしたらあまりピンと来ないかもしれない。ただ、少しでも音楽に関わっていた(特にバンド)人なら感じることはあるんじゃないかと思われる。私もそこまで深く音楽に携わってはいないが、あまりにもリアリティがあって、妄想が膨らむくらいにはこの言葉に翻弄されている。

 

きみはまいにちを中途半端にやめた。
きみはまいにちを中途半端に食べ残す。

明日に続く道が今日で終わるなら
このまま夜は起きない。きみを起こす人も消えて
重ねたエゴの形が燃え尽きて星になるのさ。

 

(引用元:リッケンバッカー/リーガルリリー)

 

 

人生はそう簡単に行くものではない。20を過ぎたばかりの若造だが、私も少しずつこの世の不条理を経験して、絶望することも少なくはない。この無機質に続いていく日々はいつしか終わるものではある、有限だ。ただ、どこで終止符を打つかによって人の人生はどう評価されるかが大きく変わる。死んでしまえば、残るのは冷たくなった体だけ、あとは何も残らない。そのうち、その体も、なにもかも燃えて尽きてしまうのだろう。

 

 

自ら人生を中途半端に終わらせるのはとても簡単なことだ。だが、それは自分という存在を否定しつつ消えていくことになる。それは、この世に生まれた意味を無下にしているに等しい。

 

そんなの、バカみたいじゃないか。一生懸命、這いつくばってダサく生きるのを笑う奴なんか気にするな。生きている理由がなんだっていい、例えばそれが音楽なら、必死にしがみつけ。笑う声に耳を貸すな、諦めずにがむしゃらにやることで「生」にしがみつけ。一度あなたの心を虜にしたその「おんがく」には、あなたを生かす力がある。それを信じて、どこかでまたリーガルリリーは歌うのだろう。「おんがくよ、人を生かせ」。

 

 

リッケンバッカーが歌う
リッケンバッカーが響く
リッケンバッカーも泣く
おんがくよ、人を生かせ

 

(引用元:リッケンバッカー/リーガルリリー)