新・おんがくの時間

様々なジャンルの音楽にあーだこーだ言うブログ。

ワンオク・takaインスタ騒動から考える、バンドにおけるファンの在り方

 

 

f:id:hyena0615:20170126225504j:plain

 

 

今、音楽業界というかバンド業界がざわついている。きっかけは先日、人気ロックバンドのONE OK ROCKのフロントマンであるtakaInstagramに投稿した文の内容である。この記事を書いている1月26日現在もまだ投稿は残っているので、ネットで検索すれば見ることができるが、折角なので引用させていただく。

 

このままいったらちょっと我慢の限界を迎えそうだから書かせてね。
最近、日本のファンに対して、、ちょっとどう接していいかわからなくなってきちゃった。
朝疲れた状態でバスから降りればそこには日本人が携帯片手にまるでポケモンみつけたみたいに動画やら写真やらパシャパシャ撮られて
みんな毎日ちょっとシンドイ思いしてます。

御飯もゆっくり食べれない。外の空気もろくに吸えない。ライブがはじまれば最前列はいつも同じ景色。。。日本人同士なのにわかってくれないのかなって、、、、
そりゃ、、気持ちはね、、、わかるよ!
楽しいだろうし。近くでみれて嬉しいだろうし。
でもね。俺らも人間だからさ、、、
限度ってものがあると思うんだよね。
なんのために海外で毎日頑張ってるのかわからなくなっちゃうし、ルールなんか作りたくないからもう少し考えてほしい。。。僕らが海外でライブをする意味を!

普段会えないから会いに行く場所ではないから!まぁ色々これみて思うことあるかもだけど、僕らはこんな文章を書きたくなるくらい今正直凹んでます。

 

(引用元:Taka (@10969taka) • Instagram photos and videos

 

 

とまあ、結構な長さで書かれたtakaの声明文。この投稿が為されてからたちまちネット上で話題が広まり、今では2万件を超えるコメントが寄せられている。2017年に入って、バンド業界では初めての大きなボヤ騒ぎかもしれない。

 

…というか、果たしてこの文の何が一体問題視されているのか?この騒動を紐解いていくと、今現在のバンドやライブシーンにおけるファンの在り方という問題が浮かび上がってきた。個人的な見解も交えて、この騒動について話していきたいと思う。

 

 

 

 

吐露してしまった、モンスターバンドのフロントマンとしての苦悩

 

ONE OK ROCK(以下ワンオク)といえば、言わずもがな日本のロックバンド界のヒエラルキーで最上位に位置している超売れっ子バンドである。国内のフェスに登場する機会は最近減ってきてはいるが、出演すれば最大級のステージで客は大入り満帆が確実である。昨年は静岡において、2日間で11万人規模となる野外ライブを開催するなどライブ活動は国内外で精力的に行っている。

 

また、 CMや映画に楽曲が起用されていることも多く、ロックバンドにしては他と比べると世間での認知度も高い。加えて、takaは元ジャニーズで父親が森進一というバックグラウンドを持っている、まさにスーパースターである。俺と比べたらミジンコシン・ゴジラみたいな感じ。

 

そんなワンオクなのだが、2013年ごろから海外での活動が活発になり、先ほども言った通り近年では国内より国外での活動が目立つようになってきた。海外アーティストとの親交が報じられたりと、段々私たちからしてみたら雲の上の存在になりつつあるというのが現状である。そんな人気絶頂の彼らだからこその悩みを、ついにtakaはSNS上で吐き出してしまった。そして、その内容は正直、物議を醸しても仕方ないような物言いであったと私は感じた。

 

 

”日本”のファンは海外で、どうすればいいのか?

 

takaは文面で、海外において”日本”のワンオクファンの行動にとても困っているという実情をぶちまけた。私はその現場に行ったことがないのであくまで推測だが、やはりここまでの人気を持ったバンドになると海外にもともと住んでいる日本人のファンやもしくは日本からワンオクを見るために駆けつけている日本人のファンはたくさんいるのだろう。そのファンが、アイドルの「追っかけ」のように彼らをついて回っている状況が、takaにとってはストレスになっているというのだ。

 

 

 

ここで、素朴に思った疑問が、takaは”日本”のファンに海外でどうしてほしいのかという点である。彼は文面で「なんのために海外で毎日頑張ってるのかわからなくなっちゃう」と言っているが、海外で活動をするからには、海外の人間”のみ”とのコミュニケーションを希望しているのだろうか?もし”日本”のファンが海外にいたとしても、コミュニケーションを取るつもりはないのだろうか?だとしたら、それはちゃんちゃらおかしい話だとは思わないだろうか。

 

もともと海外に住んでいるならば百歩譲ったとしても(本当は譲りたくないが)、苦労して好きなワンオクのために海を渡ってライブを見に来ても、最前に来るな、私はここにいるというアピールをするな、というのはファンからしてみれば相当酷な話だ。後ろでひっそりと聴いてろと強制されてるように捉えられても無理はない。確かに、毎回毎回最前に日本人がいたら、海外でやっているという感覚が少しマヒしてしまうような気はしなくもない。が、そんなことをここまで影響力のある人間がSNSという場で発言していいことなのか悪いことなのかは、判断してもらいたかった。

 

「思っていることを言って何が悪い」とか、そういう話ではない。バンドを運営していくためには多くの関係者の助けがあり、なおかつ支えてくれたりお金を落としてくれるファンの存在があってこそだということを冒涜しかねない文面だったのだ。正直、言わんとしていることは理解できる。プライベートを侵害されるのは決して良いことではない。ただ、それ以上のことを言うべきではなかったし、これでは成功して天狗になっていると思われてもしょうがないだろう。takaは自分がいかにパワーを持っているのかを認識していなかった節があるのかもしれない。

 

 

バンドにおいて、ファンとは

 

どのバンドにも大抵固定のファンが少なかれ多かれいるものである。どこに遠征しても一緒について回って、いつでも最前でバンドを眺めているファンがいることは決して不思議なことではない、よくある光景だと私は思っている。バンドはそのファンを最初は決して無下にしない。裏で「また来てる…」とか言ってたとしても、表向きでは最大限の感謝をするはずだ。まだ発展途上のバンドにおいて、固定ファンは神様のようなものだ。自分たちの音楽を聴いてくれて、ましてやそれを広めようとさえしてくれるわけだから、バンドにとっては大事な顧客なのである。

 

しかし、バンドが有名になればなるほど、固定ファンという概念は薄れていく。というより、規模が大きくなり価値が希薄になる。目に見えていたファンが、次第にぼやけていくわけである。これによって結果的に固定ファンを軽視するケースが往々にしてある。これは短期的とは言わずとも、長期的には間違いなく自殺行為だ。

 

自分の応援していた対象から裏切られるというのは、相当なショックがあるに違いない。今回の騒動でも、「僕らが海外でライブをする意味」という言葉で海外にいる”日本”のワンオクファンは少なくともある程度のショックを受けただろう。このことをファンは決して忘れないはずだ。

 

 

 

もしも、だが。私の好きなバンドがこういった騒動を起こしたら、おそらくライブには足を運ばなくなるだろう。音源も、聴くとこのことを思いだしてしまうかもしれない。

 

時たま、「どういう人間性かはどうだっていい、音楽だけを評価すればいい」と言う人もいる。しかし残念ながら私は、そこまで無感情な人間ではない。この騒動で、少しワンオクを敬遠してしまうのかもな、と思う次第である。

 

 

釈明はあったが…

 

インスタのコメント欄の炎上を受けて、takaは釈明文を投稿した。

 

「ゴメン!文章が足りてなかったね。。」
「一部の人達なんだけど、最近はその一部があまりにも多いって話なんだよね!みんなのこと嫌いにはならなゆ」
「よ!」

 

(引用元:https://www.instagram.com/10969taka/

 

誤字があるが、これが釈明の全文である。この「一部」「みんな」という表現が少し引っかかるが、これ以上首を突っ込みたくないのでやめにする。おそらく、急いで書いたのだとしても最初の投稿がtakaの本音だろう

 

話は少し変わるが、AIR JAM2016にワンオクが出演した際、ファンのマナーが酷い(場所取り、ワンオク以外のバンドを見ないなど)という記事が乱立していたことがあった。確かにこういったものを見ていると、ファンにも問題があるのかもしれないが…どっちもどっち、というのが結論なのかもしれない。…長文失礼しました。