青春をありがとう、B-DASH
僕ら20代前半には少し馴染みが薄いかもしれないが、おそらく一世代上の男性なら大体知ってるこのバンド、B-DASH。1997年に結成され、メロコアブームをけん引した3人組が、20年間の活動に終止符を打った。
~B-DASHより、皆様に大切なお知らせ~
いつも応援してくれているファンの皆様とこれまでB-DASHと関わって頂いた皆様にお知らせがあります。
B-DASHは解散します。
1997年に結成してから20年間、シングル8枚、アルバム13枚を発表し、様々なイベントやフェス等に出演させてもらいました。
ここまで活動できたのは、ライブやCD等を通じて応援してくれた一人一人の皆様、
そしてこれまでB-DASHと関わって頂いたすべての皆様のお蔭です。
言葉ではとても伝えきれませんが、心から感謝の気持ちでいっぱいです。
ありがとうございました!!!!!B-DASH GONGON / TANAMAN / ARASE
(B-DASH公式サイトより)
B-DASHってどんなバンド?
1990年代後半から2000年代にかけてのメロコアシーンにおいてひと際目立った存在感を放っていたのがB-DASH。この画像の中央に位置するマスコット「トニオくん」(個人的に「5億年ボタン」の漫画でこのキャラクターを見てから怖くて仕方ない)のアルバムジャケットをよく覚えている。
肝心の楽曲だが、非常にかっこいい。パンクまっしぐらな曲が多いのだが、いかんせんメロディが頭に入ってきやすく、一般ウケが良かったのも納得できる。ファーストアルバム「○(まる)」は、インディーズながらオリコン初登場4位を記録しており、お茶の間にまで浸透していたことがうかがえる。
曲によってはパンクというよりはヘヴィなハードロック調のものもあり、決して彼らの曲全てが単調にパンクばっかというわけではない。おそらく、そのころのライブハウスとかではずっとドカドカしてるだけのメロコアバンドなんて腐るほどいたんだろうから、それらとは一線を画していたのは当然だろう。
意味不明な歌詞が教えてくれること
B-DASHの代表曲は英語で歌っているようで全く英語ではないし、ましてや日本語でもない。彼らは適当に言葉を勝手に作って歌っている。そんなんアリなのか…
歌詞が知りたくて歌詞カード見てみたら「なんじゃこりゃ!?」ってのがオチである。
おーううぇーん瞑あーらさっちゅ Way a そーれー峯圓冥
おーううぇーあーれそー円ちゅーあん Mo ーい
We spare shull feh a shuweh 医療隊マッカラ号
立派な拳法界 正方位
(ちょ/B-DASH)
いや、こんなの分かるわけないっしょ。シンガロングが横行している現代じゃ考えられないことですよ。しかし、このバンドを聴いていた世代の知り合いが口をそろえて言うのは「歌詞なんて関係ない、楽しけりゃそれでいい」という言葉。メロコアなんて暴れてなんぼ、かっこよくて楽しけりゃ大正義なのだ。全てのバンドがそうとは限らないけれど、B-DASHは歌詞の意味の深さやメッセージ性は捨て、曲のカッコよさやライブの楽しさにステータス全振りしたバンドであるということを理解してもらいたい。
よく、俺も歌詞が良いっていうバンドを推すことがあるけれど、それとこれとは話が違う。だってもしバラード歌ってんのに歌詞が「立派な拳法界」だったら卵投げつけて帰りますよ。要するに、音楽のジャンルによって歌詞の在り方だって変わってくるってわけです。とはいえ、ハイスタの歌詞にはメッセージ性があるし、一概にはそんなこと言えないけどね。ただ、B-DASHが許される土壌があるのはメロコアやパンクだけでしょう。
とか言って、こんな風にでたらめな歌詞で歌ってるバンドは他のジャンルにもいました(マジかい…)。これなんかは、最初聴いてた時はマジで英語だと勘違いしてました。こちらもかっこいいのでぜひいつかブログで紹介したいですね。
とにもかくにも、お疲れさまでした。
何にせよ、俺はB-DASHの世代ではなかったため、ライブを見たりする機会もなくそんなに大層なことは言えないのですが、20年間も同じバンドを続けているってとんでもなく凄いことだと思うんですよね。赤ん坊が社会人になるんですよ、20年間って。そう考えると、よっぽどじゃないと続けられないんだろうなと推測します。
俺がB-DASHや同じ世代で活躍していたスネイルランプなんかを知った時、なんというか「昔からこうやって脈々と受け継がれていって今があるんだな」とかいう古臭いジジイみたいなことを思った気がします。彼らがいなければフォーリミもワニマもいないんですよ、多分。偉大なメロコアの先輩に、お疲れ様でしたと皆さんで言いましょう。お疲れさまでした。